私に残されていたのは「好奇心と行動力」。スリール株式会社・堀江敦子さんが語る自分の気持ちの見つけ方

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スリール株式会社 代表取締役

堀江敦子(ほりえ・あつこ)

 

【プロフィール】

中学生の頃から子どもが好きで200人以上の子どもと関わる。大学時代、仕事と育児を両立している女性起業家のロールモデルと出会う。IT企業入社後、社内での子育てへの理解のなさに衝撃を受け、25歳でスリール株式会社を設立。共働き家庭で仕事と子育てを学ぶ「ワーク&ライフ・インターンシップ」を提供。大学生が子どもと触れ合いながら、仕事や子育ての話を聞き、将来のライフキャリアについて考えるきっかけ作りをする。2013年に経済産業省のキャリア教育アワードを受賞。過去5年間で500人以上の大学生が参加するプログラムに発展した。現在では、千葉大学教育学部の非常勤講師を勤め、大学内でのプログラム提供も行っている。また内閣府、厚生労働省、文京区の男女共同参画関連の委員を複数兼任している。

 

 

ワークとライフのリアルを学ぶため、子育て家庭でのインターンシップを学生や企業に提供している女性起業家の堀江敦子さんに、会社を立ち上げたきかっけと夢の広げ方についてお話を伺った。

 

 

協力者を増やせば社会が変わる

 

――スリールを立ち上げることになった直接のきっかけを教えてください。

 

自分の部署の中にいたワーキングマザーの方に子育てのしやすい職場かどうかのヒヤリングをしたことがきっかけです。彼女はもともと営業成績トップだったのですが、復帰をして17時に帰るようになってから、アシスタント業務に異動し、成績を下げられるようになってしまいました。そのことを上司に言っても17時に帰るからしょうがないと言われたそうです。確かに、17時で帰るからという理由は分かります。しかし、男性も女性も働きながら子育てをしていきたいという思いはあるはずです。私は子育て社員への理解がないままでは、多くの人が働き続けることが困難になってしまうと感じました。

 

この環境を変えるには、今売り上げを上げていて、動ける若手社員がみんなで取り組めば良いのではと思い、活動を始めました。活動の主旨を同期50人に話したところ、多くの人が賛成をしてくれましたが、誰一人として協力してくれる人はいませんでした。「今のことで頭がいっぱい」「どうせ変わらないよ」と言って、数年後に自分に起こる事に対して無関心だったのです。自分が子育ての当事者になったら、その声を聞いてもらえない。しかし、その前は当事者意識がない。この事が社会が変わらない原因だと痛感しました。

 

「無関心な人を『関心』に変えるにはどうすれば良いか」考えた結果、私と同じように学生時代から仕事と子育ての両立を経験すれば理解者が増えると思いました。協力者を増やせば社会が変わると考え、会社を辞めスリールを設立しました。

 

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広報スタッフの学生と

 

――もともとは起業するつもりではなかったとのことですが、幼少時代はどのようなお子さんでしたか?

 

親が医師をしており、幼稚園から高校までお茶の水の国立学校に通っていました。このことが私の中ですごくコンプレックスでした。自分は勉強もスポーツもできないのに、周りからは「すごいね」「お嬢様だね」と言われる事に違和感を感じていたんです。肩書きだけを見て自分の中身を見てもらえてないと感じ、自分自身に力をつけていきたいと思うようになりました。そんな時、私に残されていたのは「好奇心と行動力」だったんです。

 

 

――活発的なお子さんだったのですね。どのようなことに興味があったのですが?

 

同じマンションに赤ちゃんがいて、自分からドアをノックして遊ばせてもらったり、「地域」「女性」というキーワードにも興味がありました。当時、自治体でDVに関する勉強会があるのを聞きつけ、それに参加したりしていました。大半が50代前後の方が集まって話し合いがされていて、その中に中学生の私がポツンと一人参加していたので、周りの方から「こんなに若いのだから、あなたが社会を変えるのよ」と背中を押されたんです。初めて自分のやったことが本当に褒められた気がして、頑張ろうと思いました。

 

 

高校生の夢×好きなことが起業のきっかけに

 

――高校生と大学時代にどのようなことを考えていたのか教えてください。

 

高校と大学ではボランティアを30施設で行いました。

その中で、ハワイに行った際にガイドをしてくれたナタリーとの出会いで気付いたことがあります。彼女は目が見えません。それなのに、ハワイの至ることを自分の感覚だけで、案内してくれました。わずかな風の向きや音から、自分が向かう方向が分かるのです。驚きました。ハンディキャップを持っている人は誰かのサポートなしには生きていけないと思っていましたが、適切なインフラが整っていれば誰もが自立できるのではないかと考えるようになりました。障害者や高齢者の事を考えて商品やサービスが作られるようになれば、社会はもっと良くなる。更にそれをビジネスで行えば、「儲かる」と感じ、その社会変化はより加速される。そういったことが何かしらできないかなと考えていました。

 

――確かにスマートフォンは、機能性や感覚での操作が優れているので、赤ちゃんから高齢者の方まで利用できる。利用できる人が多ければ儲かりますもんね。

 

大学時代の堀江さん
大学時代の堀江さん

 

――現在に至る背景を伺い、夢がつながっているように感じました。どのように夢を広げていったのですか?

 

私も夢が突然湧いてきたわけではありません。大学時代に多くの活動をして、体感した上で少しずつ見えてきたのです。「軸」というのは、最初にレールのようにあるのではありません。まず行動してみた後で気が付くことがあります。その上で大切にしてほしいことは3つです。

 

まず一つ目は「自分の感覚を信じる」ことです。普通、周りがやるから自分もやろうとしますよね。そうではなく、自分がやりたいことをやってください。思っている気持ちに嘘はないと思います。「鉄は熱いうちに打て」という言葉がありますが、やってみたいことはまず始めてみることだと思います。

 

2つ目は「振り返る」ことです。インターンシップや留学に言った経験を大人に話すと「それで何を学んだの?」と聞かれます。自分は何を感じ、学んだのか。言葉に残すことで、振り返りやすくなります。

 

3つ目は、今の大学生に一番伝えたいことです。それは「明確に違うと思う体験も大事にする」ことです。いい経験をしなければいけないと思いがちですが、良いか悪いかは、やってみないと分からないと思います。例えば目の前に素敵な異性がいたとします。あなたはどうしますか?まずは相手にアプローチをしますよね。そこから自分のタイプかどうかを「感じて」いきます。多くの人に出会う事で自分の方向性が見えてきますよね。それと同じで、自分に合っているもの、合っていないものを見つけるためには、まずは当たってみること。まずは行動に移すことで自分がどんな価値を持っているのかを知ることができるのです。

 

 

――2つ目の「振り返り」について、現在堀江さん自身はどのようにご自身と向き合っているか教えてください。

 

Facebookを利用して文字で発信をしたり、学生時代の作品を見返しています。

起業しようと決めた後に、部屋の掃除というか、断捨離をしていて中学校の作文が出てきました。よく読んでみると、その当時から親教育とか自分の子どもを見守る大人を作っていきたい書いていました。真髄は中学の頃から変わってないことにびっくりして、何にも変わってない、つながっているなと感じました。

 

 

――根底となるものはつながっていたのですね。

 

そうそう。中学生の時でも思っていたことに衝撃でもあったし、すごく昔の自分に応援されましたね。「結構いいこと言っているじゃん私」って。だから、今まで書いたものとかを見直すのはすごい力になりますよ。

 

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計画された偶然

 

――会社を経営されていて、何か失敗談はありますか?

 

上手くいかなかったことはたくさんありますが、失敗と捉えず、学びだと思っています。その上で、最大の上手くいかなかったことはマネジメントにおいて「人を動かそう」と考えていたことです。例えばモチベーションが下がってきたスタッフがいたとします。きっとこの子はこうなんじゃないかと思って、その子に対して良かれと思ってやったことが実は相手は違う捉え方をしていたりして。関われば関わるほどメンバーから「信用されてない」と思うようになっていました。振り返ると自分がいい上司だったり、いいリーダーとか、いい人って思ってもらいたいがために、干渉していたのかもしれないなと感じました。

 

 

――現在は経営者としてどのように考えていますか?

 

うまくいかないものだし、相手のことは分からないものなので任せて、信じて待っています。子どもでいえば、泣いている子に「大丈夫?大丈夫?」って関わりすぎると、さらにわーって泣くんです。子どもも、なんで泣いているか分からなくなっているんですね。泣くのが「目的」になってしまうのです。そんな時には「本当はどうしたかったのか」、自分で考える時間を持ってもらうために「放っておく・待つ」ということをします。「私はここで待っているよ」と伝えるんです。そうすると子どもは、泣くだけ泣いてから「ごめんねー」って走り寄ったりしてくれます。整理する時間や、自分でやり遂げる時間を与えてあげることが凄く重要だと考えています。

 

 

――ありがとうございます。最後に堀江さんが大切にしている言葉を教えてください。

 

「計画された偶然」です。スタンフォード大学の教授が提案した計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)という考え方です。私は、「軸を持って流される」ことと言っています。自分がやりたいことを発信することでいろんな人が情報をくれます。そうして導かれるように自分のなりたい姿に近いていくのです。あなたの人生は親でも恋人の物でもありません。自分の人生です。

 

どのように進めばいいか分からない時は、「気持ち」を大切にしてください。大学生は何でもできます。だからこそ、自分がやれることを諦めないで前向きに考えてください。そうすればきっかけになっていることが多いのです。

 

 

キラキラと輝く大人の女性であった。堀江さんは大学時代に様々な経験をされていたが、その中で「何を学んだか」が大切であるという点に共感した。大学4年の私が思うことは、主体的に取り組めばそれだけ学ぶことも多いということだ。意思決定の数が多いほど、自分自身成長できる場であったと思う。「自分のなりたい姿になるために」、あるいは「なりたい姿を見つけるために」必要なことは、「まずやってみる」ことだと思う。

 

<参考>

「なりたい自分にあったアクションを考える」

 

【自己分析】大学卒業後なりたい姿は?「なりたい自分に合ったアクションを考える」6つの方法

 

こちらの記事もどうぞ

 

【インターン生募集中】「とりあえずやってみて」とすすめたくなる、スリール株式会社ワーク&ライフ・インターン

 

 

スリール株式会社HP:http://sourire-heart.com/

 

 

 

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