望月太智

大学2年でガンが発覚…。望月太智さんが闘病生活を乗り越え気付いた大切なこと

Share on Facebook1Share on Google+0Tweet about this on Twitter

 

早稲田大学 スポーツ科学部3年 (山梨県出身)

望月太智(もちづき・たいち)

 

【活動内容】

1993年生まれ。山梨県出身。2歳から12歳まで水泳に取り組み、中1から高3までラグビーに取り組む。2013年に早稲田大学に入学するも、大学2年時の春にガンが発覚し休学。手術と抗がん剤による治療でガンを克服し、現在は早稲田大学ラグビー蹴球部にて、チームをサポートする学生トレーナーとして活動中。

 

 

日本代表に幾多の選手を送り、全国大会優勝回数最多記録を誇る、早稲田大学ラグビー蹴球部を学生トレーナーとして支える望月太智さん。常に明るくポジティブに振る舞う彼だが、20歳の頃にガンが発覚し、闘病した経験があるという。ガンと聞くと、病気の中でも特に重いものという認識があるが、望月太智さんはどのようにガンを乗り越えたのか、若くしてガンを患い価値観に変化はあったか、彼のストーリーに迫った。

 

 

ガン発覚。そのときの気持ちは?「マジか」それとも「やっぱりか」

 

――実はガンになったことがあると知り、とても驚きました。20歳にしてガンになったという経験は、これまで、そしてこれからの人生においても無視できないものではないかと思いますが、ガンが発覚した経緯について教えてください。

 

ガンが発覚したのは大学2年生の春ですが、異常を感じたのは大学1年生の秋です。精巣ガンという金●のガンでした。これから金●の話になりますが大丈夫ですか?(笑)

 

 

 

――よろしくお願いいたします。

 

まず、大学1年の秋に風呂に入って体を洗っていると、金●の片方にしこりみたいなものがポコっとできていたんです。その時には痛みもなく、大丈夫だろうと思っていたのですが、それが段々と大きくなっていきました。4月頃には明らかに大きさが違っていたので、授業が始まる前にとりあえずということで近くの病院に行くことにしました。

その病院では血液検査をして、炎症を起こしているだけかもしれないということで炎症抑える薬を貰いました。血液検査の結果が出るのが2週間後だったのですが、それまで薬を飲んでいても一向に良くならず、2週間後に病院を訪れると、数値に異常があるからと大きい病院を紹介されました。

 

大きい病院に行き、いろいろ検査をした結果、「悪性腫瘍があります。」と医者に言われました。いわゆるガンですね、と。「進行が速いので今日入院してください。明日手術します。」と言われ、すぐに手術を受けました。

 

 

 

――そうなんですね。いきなりガンと言われて心境はどうでしたか?

 

ショックでしたね。でも、今の時代ってネットでなんでも調べられるじゃないですか。自分の症状とかは調べていたので、ガンかもしれないとは思っていたんです。発覚した時は、「マジか」という気持ちと「やっぱりか」という気持ちが半々でした。それでもやっぱりショックでしたね。

その時は10万人に1人の病気と言われていたんです。そんな病気に「まさか自分が。」っていう。しかも、いろいろ調べていくと、末期だったんです。進行が速いうえに、半年以上も放ったらかしにしていたので。そして、肺にも転移していました。

初期の段階であれば、金●を摘出して経過観察になるのですが、手術と抗がん剤による治療が必要ですと言われました。

 

望月太智

 

抗ガン剤に殺される。辛い治療を支えてくれたのは、お見舞いに来てくれた人たち

 

――そうなんですね。では考える暇もなく事が進んで行ったという感じですか?

 

そうですね。医者に任せっきりという感じでした。

その時印象的だったことがあって、父親は病院に一緒に来ていたんですけど、母親は来ていなかったので、母親に事情を電話で説明することになったんです。こういう結果で、肺にも転移していて、抗がん剤の治療が必要だと。

母親にとっては、自分の子がガンになったってそれはもう考えられないことだと思うんです。話しながら電話の向こうで泣いちゃっていて。「肺がだめなら私の肺を使っていいし、ほかの臓器でも何でも使っていいから。あなたは生きなさい。」と涙ながらに言われたんです。その時には、親の子を想う気持ちというか、親の偉大さを実感しました。

それから、手術と抗がん剤による治療が始まりました。

 

ちなみに、発覚した時はメンタル的なショックはそこまで無かったのですが、抗がん剤の治療の最中はマジでしんどかったです。常に気持ち悪い上に、吐き気や体のだるさ、胸やけ、いろんな副作用が来て、本当に人生で一番辛かったです。

 

 

 

――辛そうですね。抗がん剤での治療について聞きたいのですが、抗がん剤の治療はどれくらいの期間行ったのですか?

 

抗がん剤の治療は、2か月から3か月くらいです。抗がん剤の治療って、最初の5日間決まった量の抗がん剤を点滴で入れ続けるんです。その時は大丈夫なんですけど、抗がん剤の投与が終わった後の副作用が辛いんです。5日間抗がん剤を投与し、その後1週間は副作用が苦しくて、さらにその後の1週間はお休みという流れを1クールとして、4クールの抗がん剤による治療を行いました。

特に第4クールがめちゃくちゃきつくて…。第3クールまでは気持ち的にも余裕があって、周りにも「オレ全然元気だよ」とか言えていたんですけど、第4クールは薬の力に抗えないというか、薬に負けるというか、だるさと気持ち悪さがひどくて受け答えもできない状態でした。

ガンじゃなくて抗がん剤に殺されると思いましたね。

 

でも、家族はもちろん、友達、彼女、高校の頃の先生、高校の頃の友達、大学のラグビー部の仲間など、たくさんの人にお見舞いに来てもらえました。

これは自分もびっくりしたんですけど、大学ラグビー部の仲間が山梨の実家まで来てくれたんです。さっき言ったように、抗がん剤を投与した後の1週間はまともに動けもしないんですが、その後の1週間は医者の許可が出れば家に帰ることができるんです。

ずっと病院にいるのもきついですしね。

その時に20人近くの部員がサプライズで来てくれて、本当に嬉しかったです。

あと、僕は今学生寮に入っているのですが、寮母さんを中心に、寮の皆が千羽鶴を折ってくれたんです。

本当にたくさんの人にお見舞いに来てもらって、支えてもらって、元気が出ました。

 

20160501144052

 

自分は何をやれば楽しい人生を送れるのか、考えるようになりました。

 

――現在の学生トレーナーという立場は支える側だと思いますが、その経験が活きていることはありますか?

 

そこは自分の中ではあんまりリンクしていないですね(笑)。

でも、それまでの自分は部活人間だったんです。部活が最優先だったんですけど、一番大事なのはそこじゃないなと思うようになりました。大切なのは、家族だったり友達だったり、人に会いに行くことだなと思うようになりました。それは自分の中でも考え方が凄く変わりましたね。

例えば、友達に飲みに誘われても「部活があるから」と断っていましたが、なるべく誘いには乗るようになりました。また、今までは長期のオフがあったりしても、実家に帰らないなんて当たり前でしたが、会いに行くようにしています。親が何かの用事で東京に来ても会わないこともありましたが、一緒にご飯を食べに行くようにもなりました。

自分の中ではこれが一番大きいです。

 

 

 

――若くしてガンが発覚するってなかなか受け入れ難いものだと思うのですが、自分の運命を恨んだりしたことはありませんか?

 

それはないですね。逆にこの経験に感謝しています。これも生きているから言えることかもしれないですけど(笑)。

まず、医者に大丈夫って言われていたので、それを100%信じていました。ちゃんと治療すれば治るんだなって結構楽観的でしたね。「俺は大丈夫だ。死なない。」って思っていました。放っておけば死んじゃったんだろうけど。

入院していたのがガン専門の病院だったのですが、髪の毛も眉毛もなくて、8年間延命治療的な感じで入退院を繰り返している方に出会ったんです。その方の生活や現状を聞いたら、自分は治るってわかっているし、自分の病気はちっぽけだなって思ったんです。

だから、自分の運命を恨んだことはありません。

 

あと、もう一つ変わったことがあって。

この先もいろんなことにチャレンジしていくと思うんですけど、ガンを経験をしてからは、「失敗しても死ぬことはないな」と思うようになりました。

 

望月太智

 

 

――普通に生活しているとたどり着かない発想ですね。望月さんが今後挑戦してみたいことはなんですか?

 

だからと言って、こういう風になりたいです。みたいなものはないんですけど(笑)。

今僕が思っているのは、人生って短いじゃないですか。その中で楽しい人生を送りたいと思っています。だけど、自分が何をやれば楽しい人生を送れるかまだわかっていないんです。それを知るために、いろんな人と会って、いろんな人の考え方や生き方を知りたいと思っています。

自分の生き方を見つけたいと言ったら大げさかもしれないですけど、いろんな人と出会っていろんな人と話したいです。

 

 

ガンについての話を聞きたいとインタビューのお願いをすると、期待に沿えるかわからないと笑った彼だったが、望月太智さんの人生観や、「失敗しても死なない」という言葉には大きな勇気をもらった。

今後の人生において、何かに挑戦したいと考える時、「失敗しても死なない」という彼の言葉は力強く私たちの背中を押してくれそうだ。

 
 

 

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でPotSpotをフォローしよう!

Share on Facebook1Share on Google+0Tweet about this on Twitter

人気ランキング